RSウイルス感染症と乳児の細気管支炎・シナジス注射

シナジス投与の保険適応とシナジス投与にかかる費用

RSウイルス感染症の重症化を防ぐ有効な手段であるシナジス投与ですが、
保険適応となる対象が決まっています。

 

 

●早産児

 

・在胎週数(お母さんのお腹の中にいた期間)が28週以下で、
RSウイルス流行開始時に12か月齢以下の赤ちゃん

 

・在胎週数が29〜35週で、RSウイルス流行開始時に
6か月齢以下の赤ちゃん

 

●慢性肺疾患を持つ小児

 

・過去6か月以内に気管支肺異形成症などの呼吸器疾患の治療を
受けたことがあり、RSウイルス流行開始時に24か月齢以下の小児

 

●先天性心疾患を持つ小児

 

RSウイルス流行開始時に24か月齢以下の先天性心疾患児で、
血行動態に異常がある小児

 

 

上記に上げた患者さんは健康保険の適応となります。
ということは、上記以外の患者さんがシナジス投与を希望した場合、
投与することは可能ですが、その費用は自費となります。

 

 

ここで問題となるのがシナジス投与にかかる費用です。

 

 

シナジス投与量は投与を受ける患者さんの体重で決まります。
体重1kgあたり、15mgの投与を必要とします。

 

 

つまり、生まれたばかりの赤ちゃんはだいたい3kg前後ですから、
この赤ちゃんに必要なシナジス投与量は

 

 

3×15=45

 

 

45mgとなります。

 

 

ここでシナジスの価格です。
シナジスは製剤としての最小単位が50mgです。
そしてこの50mgのシナジスの価格は、

 

 

76,987円

 

 

です。

 

 

約8万円です。保険適応になる場合の実際の窓口負担はこの価格の
おおよそ2割となります。さらに乳幼児医療費支給制度がありますので、
この制度の対象となる家族の場合は、後にこの窓口負担分も還付される
ことにはなります。

 

 

しかし、シナジス投与は月に1回、冬〜春先にかけて毎月行わなければ
ならず、最長で6か月もの間、つまり6回ものシナジス投与を行わなければ
ならない場合があり、一時的な出費であってもばかになりません。

 

 

さらに、上記の76987円は最少の金額です。
シナジスは体重当たりで投与量が決まります。
生後3か月、4か月ともなると、体重は6〜7kgになります。
こうなると、投与量は50mgでは足りなくなり、倍量の100mgが
必要となります。

 

 

この場合、当然費用も倍となります。
100mg入りのシナジスの価格は、

 

 

152,755円

 

 

です。

 

 

さらに、1歳ともなれば体重は10kg程度となります。
そうなると必要な投与量は150mgとなり、24万もの費用となります。
これが毎月かかるわけです。

 

 

いくら保険適応で2割負担で良いといっても、
乳幼児医療費支給制度の対象でない家族は、
たとえある程度年収が良かったとしても、毎月数万円もの金額が
なくなることに対して抵抗がないはずがありません。

 

 

保険適応とならない場合は、もはや完全に金銭的な問題で投与が
不可能となります。毎月8万、16万、24万の出費に
耐えられる家庭など、そうはいません。

 

 

このシナジス投与の適応とシナジス投与にかかる費用は
今後の課題です。

 

 

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